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UEL プレイオフ 2ndLegのため、ボスニアヘルツェゴビナへ。今回はクロアチア・スプリトから陸路で入国した後のモスタルでの旅行記。
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モスタルでは2泊3日過ごした。
この日のクレイジーさは動画を見てもらえるとさらにわかると思う。
市内散策
約5時間のバス旅ののち、夜9時頃モスタルへ到着。歩いて20分ほどでアパートへ着き、少し市内を散策した。とりあえず一番の観光スポットであるオールドブリッジ(スタリ・モスト)へ。
旧市街はVelez Mostarという別のモスタルのクラブのエリアらしく、たくさんのグラフィティを見ることができた。
ブラガイへ
モスタルからローカルバスで20分ほどで行けるブラガイへ。ここはイスラム教の聖地とされていてところどころにアラビア語があった。昼前頃になると観光客でごった返すらしいので早朝に訪れた。
モスタルの街について
モスタルはムスリムであるボスニャク人エリアとクロアチア人エリアに分かれている。
ブラガイはボスニャクエリアになる。
先述したVelezはボスニャクエリアのクラブでZrijnskiはクロアチアエリアになる。Zrinjskiはエンブレムにクロアチアチェックが含まれている。リンツでのホームゲームでも多くの”クロアチア人”がアウェイセクターに来ていたし、モドリッチのユニフォームもたくさん着ていた。もはや彼らはボスニアのクラブではなく、半ばクロアチアのクラブとして活動しているようである。
おおざっぱに分けるとオールドブリッジのかかるネトレヴァ川を境に東側がボスニャク、西側がクロアチアとなる。そのため、対戦相手が決まった時から泊まる場合はできるだけ東側に宿泊し、市内ではLASKファンとわかるものは身につけないようにファングループから呼びかけられていた。宿泊せずに試合後そのまま国境を越えてクロアチア方面に帰る人も多かった。
モスタルでの食事
チェバッピプツィ
スヂュキツィ
ブレク
どれも安く10€もあればお腹膨れてしまうぐらいお腹いっぱいになる。
試合前
他のLASKファンとランチしている間に試合前のミーティングポイントの変更の情報が回ってきた。もともとはオールドブリッジ周辺の広めのカフェがミーティングポイントだったが、少し離れた教会に変更された。
理由は警察からの警備上の理由である。Zrinjskiのウルトラスから襲撃される可能性が非常に高くなっていたらしく、それを避けるため警察が警備しやすい場所に変更されたようである。
それ以前にファン企画のリンツ発モスタル行きバスはスロベニアとクロアチアの国境から警察の先導を受け、ボスニアとの国境では警備体制を強化するためか3時間、国境で足止めを食らったらしい。そこからまた警察に警備されながらモスタルへたどり着いたとのことである。
ミーティングポイントからは4台のバスが用意され、そこからスタジアムへ直行した。スタジアムまでの道はおよそ10台のパトカーが前後を警備し、経路上はすべて交通規制が行われ、ノンストップでスタジアムへたどり着いた。
ちなみに上記のミーティングポイントの設定、地元警察との交渉、バスの確保などはLandstrelsserというファングループが行っていてクラブは関与していない。クラブからの注意事項は”ボスニアにはまだ地雷があるので注意してください”との記載だけである。少なくともオーストリア内ではRapidはクラブも協力し、危険があるアウェイではできるだけオーガナイズするように努められているらしい。LASKは全くそういったことに協力的ではないとのこと。
思えばACLや対日感情が過激化しているときの中国アウェイはクラブやJFAがオーガナイズしてホテルからスタジアムまでの警備の確保などをしていた記憶がある。
試合
スタジアムはメインスタンドのみ、アウェイセクターは最上段の一番端っこに金網で囲まれて確保されていた。味スタの2階席のような眺めで個人的には見やすく、とてもよかった。試合はミスからPKで失点したものの、Jovicのスーパーミドルシュートで何とか追いつき、合計結果で勝ち抜け。内容は良くはないが、結果が戻ってきているので何とか立て直していきたい。
この試合のもう一つのトピックはユニフォームである。
数日前からLASKはこの試合でスポンサーカラーユニフォームを着用するといわれており、この日もサポートボイコットが行われた。Zrinjskiは白ベースに赤の襷模様のため、黒のユニフォームでプレーすることが可能であるにも関わらず。
個人的にはアウェイではライバルの色でなければいいのでは?なんて思っていたが、LASKは伝統的に3rdのカラーが赤となっているらしく、SturmやAltachなど黒ベースの対戦相手で着用することになっている。
そもそもBWTがLASKを支援するときに”クラブカラーにはタッチしない”と約束したとのことである。にもかかわらず3rdキットのカラーを変えたということで、頻繁に”君たちの約束には意味がない”と書かれたバナーが出されているのだとやっと理解した。
某青赤クラブもエンブレム変更などに関して”クラブカラーの青赤は変えない”と言ってはいるものの”エンブレムのカラーは変えないよ、○○の色は変えるけどね”みたいなことをしれっとやってきそうで他人事ではなく思えてきた。
後日グループステージの抽選が行われ、目玉はリバプールとのゲームになる。リバプールは赤であるからピンクを着る機会は普通に考えるとないと思うだろう。だが、以前のELでは白のスパーズ相手にホームでピンクユニフォームを着用しているのである。当時はコロナ渦で無観客であったが、今回は通常モードでさらに注目度は増している。このビッグマッチのために、スポンサーカラーユニフォームを着用する可能性は非常に高いと考えられている。自分のもそう思う。頼むからやめてほしい。
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試合後
試合後も警察に先導されながら教会に戻る。教会の敷地から出るときになるべく早く宿に帰るように言われた。でもちょっとビールが飲みたいってことで小さい野外クラブのような場所でビールを一杯だけ飲んだ。最中、3~5グループほどが町中にLASKファンがいないか探し回っていた。さすがにこれは怖かった。自分らはなるべく英語で会話してオーストリアから来たことを悟られないようにした。あとはグループに日本人の自分がいることで観光客感を増すことができたので、気が付かれなかったと思う。それでも宿に戻るときにはおそらく尾行されていたと思う。
次の日の朝
朝食に行くために友人たちと合流。朝食後、バスでドブロブニクへ向かった。ドブロブニク編へ続く。
最後に
この遠征の最中、いろんな話をLASKファンから聞くが、本当に他人事と思えない内容がたくさんあった。財政面で外からお金を調達するのは大事だし理解することが必要だけど、伝統やポリシーをないがしろにされる可能性があるのならば何かしら声を上げることはやっぱり必要だと思った。ダイナミックプライシングという名のぼったくりシステムでスタジアムへ足を運ぶ人を少なくしたり、”フットボール<エンターテインメント”に舵を切っていることに違和感を覚えないのはちょっと心配である。
LASKは少なくともUELプレイオフ出場クラブで最も高価なチケット価格のクラブである。子供を連れて毎試合スタジアムに来るのは難しい価格設定だ。
FC東京は”強く、愛されるチーム”を目指すことをやめてしまったのだろうか。