セカンドポスト

雑記(フットボール/エンジニア/旅行/語学)

ウィーンにて年を越す - ウィーンに来て9か月が経った

Servus

 

12カ月のワーホリ期間もあと残り3か月。こちらで年を越すまで生き延びることができた。今回は振り返りというか、初めて日本を出て長期間生活した感想を残しておきたい。

 

生活文化について

移動手段

旅行好きかつせっかちな自分は交通の便の優先度が割と高い。その点ウィーンはかなり優秀で日本に近いと思う。トラムや地下鉄は高頻度で来る。バスは交通状況によるから何とも言えないけど。日本でもバス嫌いだったし。アウトバーンも走りやすく、数回しか運転や同乗していないが渋滞も少ないように感じる。

近郊列車や都市間列車(OEBBとWestbahn)は基本的には定時で運行してくれるので助かる。毎週乗ってるが1時間レベルでの遅延は2,3回しか体験していない。某隣国の列車とは大違いである。

そして空港もしないから近く1時間以内で行くことができる。さらに便数も多くヨーロッパ各地へ行きやすい。空港自体もコンパクトで着陸後15分以内に電車に乗ることも可能。かなり利便性が高く満足度が高い。

食事

基本的に外食は高い。が、まずいという店はあんまりない。大衆的なレストランに行くよりも、日本でいう古めの定食屋的な感覚で裏路地のオーストリアっぽい内装のお店や小汚い英語がなかなか通じないPfanneやイタリアンのお店に行くと低価格でおいしい本格的な料理が食べられる。本格的な日本食レストランは多くない。中華料理はここでも豊富にありWok含めて充実している。

スーパーの生鮮食材はかなり高い。なのでマーケットの八百屋やお肉屋さんで買うことをお勧めする。マーケットなら価格は日本と同じくらい。スーパーではプライベートブランドを買うことが多い。

治安

さすが住みたい街ランキング世界1位である。非常にいいと思う。新宿の歌舞伎町近くでバイトや社会人していた身としてはほぼ変わらない。基本的に女性が一人で外を歩いていても明るい場所が多い。もちろん郊外に出れば危ない場所もあるだろうが市内中心部から地下鉄で15分圏内は概ね人も多く安全である。ただリードなしで散歩している犬は怖い。犬の治安は日本が圧倒的である。(筆者は犬が怖い)

物価

まぁ高い。日本が安すぎなだけだとは思うが。特に家賃など住に関する物価は非常に高いと思う。

仕事について

前段として自分は某チェーンの日本食レストランで働いている。

勤務

普通のヨーロッパ人の勤務態度というか、やることなければケータイ触ることもあるし、飲食することもある。ただ自分が思った以上にみんなやれることないか探して仕事している人が多かった。半分くらいが大学生なので何というか要領だったりで?となることもたまにあるけどそれは日本とあまり変わらない。社会人4年やった自分が学生時代よりは全体を俯瞰して見れるようになってるなぁと思ったり。例えば他人の不出来やミスに対して何も思わなくなったり。最初からできる人なんていないし誰でもミスするし。ミスしたところで人が死ぬわけでもないんだから、という社会人時代の感覚のまま仕事している。さすがに人が死ぬ可能性のあるレベルのミスは怒った方がいいと思うけど。

時間

みんな時間ぴったりに来る、か2.3分遅れてくる。忙しい日にそれやれれると困るが、電車は急に止まるし時刻表はないので運が悪ければ乗り換えの接続が悪かったりするので仕方がないと思う。5分前行動は基本存在しない。当たり前だけど。

客層

自分の店の客層は非常によく、ドイツ語が話せない自分にも寛大で助かっている。ただヴィーガンの人は日本に比べて非常に多いので知識の浅い自分は説明に困る。ヴィーがんやベジタリアンは日本でもそれなりの知名度があるがヨーロッパのそれとはレベルが違う。ちなみにお世話になっているLASKファン本人はお肉大好きだがガールフレンドがヴィーガンのため家ではお肉が食べられず、アウェイ遠征の時にしこたまお肉食べてたのが印象的である。

フットボールについて

よく言えば日本でいう野球的な感覚。新聞やニュースで自然と情報が入ってくるし駅や電車内の電子公告でもニュースとして流れてくる。2部くらいまでの結果は。驚いたのはLinz出身のフットボールファンではないルームメート(女性)のお父さんがLASKのスポンサー問題やRapidのウルトラスとクラブの関わり方など、ある種常識的なトピックとして知っていたことだった。

日本人であれば巨人が読売や日テレの所有物であることはほとんどの人が知っているであろうし、巨人と阪神がライバルなことは知っているだろう。ただFC東京東京ヴェルディがライバルであることはそれに比べると認知度は低いと思う。その野球レベルで情報にアンテナを張っている人はフットボールの情報を知っている。割と衝撃だった。

交友関係について

20代後半で新しい友人を作るのは日本でも難しいと思う。でもフットボールを通じて多くの大切な友人ができたのは本当に感謝している。彼らがいなければもしかしたら孤独で日本に帰っていたかもしれない。反面、日本にいる人たちとは疎遠になりかけているかもしれない。パートナーともうまくいかなかった。それを感じると日本に帰りたくなる。でもスタジアムという家をこちらで見つけられたのでそっちはそっちで恋しくなるなぁと思ってしまう。20代後半でまぁ結婚もしたいなぁなんて思ってると割と時間がない。20代でやるべきことは時間に対して非常に多い。

何か困ったことがあれば助けてくれる友人はウィーンでもリンツでもいるので本当に心強い。職場の経験豊富な日本人同僚たちも含めて。

 

来て正解だったかどうか

人生経験として

人生の経験としては正解だったと思う。日本じゃ経験できない思い出もたくさんできた。もちろんこの1年で失ったキャリアや関係などたくさんあったと思う。

キャリアとして

個人的には20代はバリバリ働いてキャリアの土台を作るべきだったという後悔もある。学歴を盾に勝負できない側の人間としては。もちろん現地採用が決まればキャリアとしても文句なしだったとは思うがそこまでの実力がない人間のキャリアとしては失敗だったと思う。

就活したり他のキャリアを積んでる人の話を聞いて思うのはこちらでキャリアを作るにはワーホリで来るよりも学生としてこちらに来た方がいいと思うし、そこからインターンで入り込むのが一番効果的だと思う。もしくは少なくとも国際的なキャリアを日本で積んでから来る、日系企業のチャンスが豊富な場所からステップアップする、などの方法を取った方が絶対に良い。

さいごに

1年前の自分を思うと多くのものを望みすぎたと思う。こちらでのキャリアの獲得、フットボールを楽しむこと、帰国後の青写真。限られた時間でやれることは限られている。

でも幸せって何だろうとは考えさせられた。生き急いでいた感のある自分は少しスローペースになった気がしなくもない。まぁそれでもキャリア作らなきゃとか焦ってはいるけれども。田舎ヤンキーが子供作って早々に結婚して~みたいなのはSNSでよく見るけど、たしかにな~と思うことも多々ある。家で家族とゆっくり過ごすこちらの人やホリデーで海でのんびり時間を使う人、スタジアムで友人たちと毎週会ってビールを飲み交わしたりする姿を見ていろんな幸せがあるなぁと思ったり。まぁビジネスの場面をなかなか見ないからって側面はあるけど、違う価値観を見ることができたなぁと思った。

 

とりあえず、ウィンターブレイクはみんなに会えなくて寂しいです。アジアカップ、行こうと思ってるので日本からたくさんの知り合いに会えることを願っています。

 

では年越しそばを一人で作ります。

よいお年を、そしてあけましておめでとうございます。